Acer saccharum (サトウカエデ:Sugar maple)
Acer saccharum (Sugar maple:サトウカエデ)-1
Atsushi H(弊社代表), Tomoyuki K, and Kazunaga Y.,
サトウカエデ: Acer saccharumの抗高血糖作用と含有成分カエデ属タンニン(acertannin)
Anti-hyperglycemic effects of sugar maple Acer saccharum and its constituent acertannin.
Food Chemistry, 123, 390-394 (2010).
サトウカエデ葉の抗高血糖作用と同作用成分の精製と同定について報告した。サトウカエデ葉抽出物に顕著なα-グルコシダーゼ(小腸内の二糖(マルトース、スクロースなど)を単糖:グルコース、フルクトースに分解する酵素)抗血糖作用をin vivoおよびin
vitroの研究より明らかにした。酵素阻害試験による分画により、活性成分であるカエデ属タンニン(acertannin: 2,6-di-O-galloyl-1,5-anhydro-D-glucitol)を見出した。この報告はサトウカエデから単離されたカエデ属タンニンが糖尿病のケアに使用できる可能性を示唆した初めての論文である。
Acer saccharum (Sugar maple :サトウカエデ)-2
Thériault M, Caillet S, Kermasha S, and Lacroix M.
カエデ産生物に存在するフェノール性化合物の抗酸化、抗ラジカル、抗変異原活性
Antioxidant, antiradical and antimutagenic activities of phenolic compounds present in maple products. Food Chemistry, 98, 490-501 (2006).
異なる時期に収穫されたメープルの樹液、およびシロップに含有されるフェノール性化合物より配糖体、およびアグリコンを単離した。フェノール性化合物の抗酸化および抗ラジカル作用はそれぞれTBARSアッセイおよびDPD法によって評価した。この結果含有されるフェノール性化合物は顕著な抗酸化および抗ララジカル活性を示した。そのうち配糖体をかたどる化合物はそうでないアグリコンよりも顕著な作用をしめした。抗変異原性はサルモネラ菌のTA1535/pSK1002変異株を用いてSOS誘導阻害として評価された。この結果全ての配糖体が存在するシロップおよび、配糖体の存在する樹液の75%に抗変異原性が認められた。
Acer rubrum (Red maple: アメリカハナノキ)-1 Acer saccarum (Sugar maple: サトウカエデ)-3
González-Sarrías A, Ma H, Edmonds M E, and Seeram N P.
カエデのポリフェノール、ginnalin類 (ginnalin A, B, and C)のサイクリンAおよびD1(cyclin A and D1)の減少による
結腸および乳がん細胞の細胞周期におけるS期(DNA複製期)およびG2/M期(複製完了後-M期に入るまでの期)の細胞周期停止誘発作用
Maple polyphenols, ginnalins A-C, induces S- and G2/M-cell cycle arrest in colon and breast cancer cells mediated by decreasing cyclins A and D1 levels.
Food Chemistry, 136, 636-642 (2013)
ポリフェノールは植物性の食品に見られる生理活性物質である。ginnalin類(gnnalin A, BおよびC)はサトウカエデ(A.
Saccharum)およびアメリカハナノキ(A. rubrum)などのメープルシロップが作られる樹液およびその他の部位に存在している。我々はこれら成分の結腸がん細胞(HCT-116)および乳がん化細胞(MCF-7)および非がん化結腸細胞(CCD-18Co)の分化に与える影響を評価し、細胞周期停止およびアポトーシス(細胞死)が起こるか否かを検討した。ginnalin類はがん化細胞において非がん化細胞の2倍の強さで顕著な抗がん化作用を示した。50μMの濃度においてこれら成分中でginnailn
Aが(B, Cよりも)最も顕著な作用を示した。 ginnalin
Aが結腸がん細胞および乳がん細胞で84%, 49%の抗がん化を示し、 ginnalin B, Cにおいてそれぞれ50%,
30%であった。 そしてginnalin Aはアポトーシスをがん細胞において誘発せず、細胞内のタンパク質サイクリンA(cyclin
A)およびDを減少させることで細胞周期停止を誘発することが明らかとなった。これらによりカエデに含有されるポリフェノールが細胞周期停止をすることによってがんに対する予防になることを示唆することが明らかとなった。
つづく
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